話し方コンサルタント
フリーアナウンサー
根本紫都香(ねもとしずか)です。
本日は、
話しているうちに喉が痛くなるお悩みについてです。
これは、発声の仕方に原因があります。
私たち日本人が話す日本語は、
胸式発声という発声法で話をします。
これは、息の力を使わず、
息を止めたままでも声が出せるという発声法です。
この場合、発声は喉の力で行いますので、
声を出すたびに喉に負担がかかります。
喉はとてもデリケートな器官なので、
喉に力を任せて発声すると、
10分~15分でのどが疲弊し、
痛みやかすれを感じ始める人もいます。
もしこれが、
・毎日~週に2、3回のペースで話す機会がある。
・1回あたり、1時間前後は話す。
などの場合、
のどの痛みを我慢して話すことをしていると、
喉を壊してしまうことがあります。
それは、腹式発声法です。
腹式発声は、腹筋の力を使うため、
喉に負担をかけずに声を出すことができます。
「おなかから声を出す」
という表現を聞いたことがあるかと思いますが、
これは良い説明とは言えません。
おなかから声を出すと言っても、
一体どうやって声を出すのか分からないと、
ただ頑張って大きな声を出そうとしてしまいます。
腹筋やおなかにグッと力を入れると、
上半身に力みが入り、
喉も一緒に締まります。
息が止まり、
喉が締まった状態にして声を出すことで、
余計に喉を傷めてしまいます。
本当の腹式発声は、
身体を緩めることで初めて出てくるのです。
身体を緩めるのに最も効果があるのは、
息を大きく深く吐きだすことです。
これを意識的に繰り返しやっていると、
そのうちあくびが出てきます。
あくびが出たらしめたもの!
それだけ身体が緩んでいるということ。
あくびは、緊張しながらするものではありません。
つまり、あくびが出れば、
身体はユルユルしているのです。
そのままあくびしながら声を出してみると、
息と同時に声が吐き出されます。
この、
「息と一緒に出す声」
が腹式発声なのです。
まずはこの感覚をつかみ、
「ふあ~ぁ~」
と、意識的に声にしてみましょう。
そこから少しずつ言葉にしていくと、
腹式発声で声が出せるようになります。
「おなかに力を入れて!」
「腹筋を使って声出して!」
という指導を受けたことがある生徒さんは、
「上手く行かなかった」
「よく分からなかった」
「結局出来ていない気がする」
という方がほとんどです。
腑に落ちないと、
とにかく力んで声を出してしまうからですね。
身体は、力ませてはいけません。
喉を傷めます!
緩ませることを心がけてくださいね。